■文字もの、絵は1枚
■語られているのはゲームより10年くらい前の話
■暗い中二文
■文字書きではないので文章力\(^o^)/ オワタ
以上が大丈夫な方はどうぞ。



あるルシェのひとり語り



ある東の国には、多くの貴族達が住んでいました。
皆様もよくご存知の、そう、あそこですよ。
豪奢なお屋敷が立ち並ぶなか、かろうじて屋敷と呼べるくらいの住居がありました。


そこのご主人というのが、貴族の中ではとても変わった人でして。
貴族男子の嗜みである武芸はからきし駄目、もとよりあまり強い体の持ち主ではなかったようですね。
しかし柔和なくせにこれと決めたことにはとても頑固な方でした。
そこそこのお家のご長男だったため当主様となられたようですが、そんなお立場でどこの生まれかもわからない娘を娶ったものですから、周りのやんごとなき方々は大騒ぎでした。
ここにおりますただの流れ者としては、それはもう楽しませて頂きましたが、
血筋を殊更重要視されるあの方々にはたいそう大事なことだったようですよ。


そうそう、あの国の人には珍しく、彼はルシェに対しても全く態度を変えることはありませんでした。
それどころか、放り出された他所の使用人を介抱したこともあるとか。
貴族達からは白い目で見られていたようですが、少なくとも我々は彼を好ましく思っておりました。


そんなご主人が、病に倒れました。
彼は何と国の医者にかからず、友人であるルシェの薬師を頼りました。
薬師は友人の信頼に応えようと全力を尽くしましたが、やはり今までの心労もあったのでしょう、
彼はそのまま帰らぬ人となりました。
彼に向けられていた揶揄と悪意の目は、そのまま残された家族と薬師に向けられました。
特にルシェであったが故、薬師に注がれた言葉はそれはもう酷いものでした。


「ルシェの薬師などに治療を任せるからこんなことになるんだ」
「我々人間とはつくりが違うんだ。あいつらの医療なんて信用できるものか」
「もしやあの当主は、病死ではなく薬師に殺されたのではないか?」


ご主人の遺言に従い、またその悪意に追い立てられ、薬師は自分の家族を連れて東の国を去りました。


残された彼の家族も、全てを手放して国を発ちました。
しかし女ひとりで幼い子供まで連れて、果たしてどこへ行けるというのでしょうか。
無事であることを祈るばかりですが、難しいでしょう。
手を差し伸べられなかったことを、私は未だに後悔する限りです。



…おや、どうしました。
つまらない話を聞かされてお酒が回りすぎてしまいましたか。
明日になっても辛いようでしたら、これを飲むといいですよ。
職業病ってやつですかね、いつまでもこの手のお節介は止められなくて。
息子もすっかり私に似てしまって、困ったものですね…全く。





‐‐‐
酒場で酔いつぶれかけた隣の客に、独り言のように話しかけてるイメージで。
語り部自身も結構酔っていて、普段話さないような昔話を漏らしている感じ。
東の国はもちろん某国で。

以下残念な裏設定など。薄くしてあるので興味ある方は反転でどうぞ。
語り部=語り中のルシェの薬師。
ここをわざとらしくなくバレバレでもない微妙な感じで表したかったんですが断念。
薬師にも妻と子がいました(国を去る時につれていった家族)
ご主人の家族と薬師の家族も何度か面識がありました。
絵の少年は薬師の息子(当時12歳くらい)です。
後のルシェヒーラー。ほら中二だった!